ソース:ニューズウィーク TAK Boleh Tahan
シンガポールで最近、不穏な動きが高まっている。事の発端は、シンガポール在住のフィリピン人たちが祖国の独立記念日の祝賀イベントを企画したこと。巨大ショッピングセンターが立ち並ぶオーチャード・ロードで6月8日に開催される予定だが、ネット上では一部の国民から「不適切で無礼だ」という怒りの声が上がっている。 これは同国で外国人差別が強まっていることを示す証しだ。そして同時に、政府に対する不満の表れでもある。 現在、シンガポールで働くフィリピン人労働者はおよそ18万人。フィリピンの独立記念日の祝賀イベントは何年も前から行われているが、今年は開催日が迫るにつれてソーシャルメディア上で激しい非難が巻き起こっている。彼らいわく、国の象徴とも言える目抜き通りのオーチャード・ロードで他国の独立記念日を祝うのは、国民のプライドを逆なでする行為。フィリピン国旗を掲げたりしようものなら「侵略」に等しいという。 リー・シェンロン首相も、反フィリピン人の動きを「シンガポールの恥」と断じた。「私たちは外国人居住者の数を管理する一方で、わが国に来る人々を寛大な精神で歓迎する姿勢を示さなければならない」 リーは恐らく、外国人への反発の背景には、政府に対する不満があることに気付いているのだろう。既にシンガポールの人口の40%近くは外国人が占めている。こうした外国人労働者の増加が、一向に上がらない賃金水準から公共交通の混雑まで、さまざまな社会環境悪化の元凶になっていると、多くの国民が考えている。 そうしたなかで昨年初め、政府は外国人労働者の数をさらに増やす方針を表明。以来、業を煮やした市民が大規模な抗議集会を開くようになった。 シンガポール政府はそろそろ、外国人排斥ムードを高める一因となった社会政策を本気で見直すべきだ。そうしなければ、いずれもっと深刻な摩擦に直面する恐れがある。 |
【当サイトの考察】
シンガポールと言えば、移民の先進国。そんなシンガポールでも歪みは生まれていて、移民政策に異を唱える国民は少なくありません。
移民政策は上手くいき、これからの世界のモデルの様に語る人もいますが、実は全然違って、シンガポールは独裁国家であって、国内の不満をその強権で押さえつけているだけです。
マスコミの規制は当たり前、インターネット上の監視も強く、規制は強化されていっている。それからシンガポールが富んだ国で、国民も幸せな生活を送っているイメージを持っている人も多い様ですが、それも違って、権力者と、1部の富裕層だけがお金を持っている状態で、貧富の差も激しく、庶民の平均年収は日本人の平均年収より100万~200万ほど低い。
こういう状況で更に移民を受け入れ、外国人労働者を増やせば、シンガポールの庶民がどういう末路になるのかは目に見えています。その為に国民から不満が噴出しているという訳です。
移民政策の話が具体的に上がり始めた日本でもこういう流れになりつつある状態ですので、政府や官僚に注視しておかないといけませんね。
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。